リファレンス

用語集

一般的なAI用語を平易な言葉で説明。読者や回答エンジン向け。

AI agent
モデルを使って複数の手順にわたり目標を遂行するシステム。次に何をするかを自ら決め、多くの場合、検索・コード実行・社内APIなどの外部ツールを呼び出してから結果を返す。例:バグ報告を読み、リポジトリを開き、ファイルを編集し、テストを実行するエージェント。チャットボットや単一ターンの分類器と混同しないこと。それらは計画も外部システムへの操作も行わず、一度だけ応答する。
Alignment
AIシステムを人間の意図や価値観に沿って振る舞わせるための取り組み。
Attention
各出力にとって入力のどの部分が重要かをモデルに重み付けさせる仕組み。
Chain-of-thought
回答の前に中間的な推論ステップを踏ませるプロンプトや訓練の手法。
Citation
引用とは、出力に付けられた参照で、ある記述や引用文、数値がどこから来たのかを示し、通常は文書やページ、情報源を挙げて読者が確認できるようにする。例:数値を示し、それが取られた報告書の段落にリンクする回答。グラウンディングや正確さと混同しないこと。引用はシステムがどの情報源を付けたかを示すだけで、同じシステムが、情報源が実際には裏づけない主張に見かけ上もっともらしい引用を付けることもある。
Commercial use
商用利用とは、収益を得る目的や事業を支える目的でモデル・ツール・その出力を使うことで、それで作った製品を販売したり、有料サービスに組み込んだり、顧客に請求する業務に使ったりすることを指す。例:スタジオがモデルで画像を生成し、報酬を支払う顧客に納品する。有料アクセスと混同しないこと。サブスクリプションを購入しただけで商用の権利が付くわけではなく、無料の条件でも商用利用を認めている場合がある。
Context window
モデルが1回のリクエストで考慮できるテキストの最大量(トークン単位)。指示文、それまでの会話、一緒に渡された文書を含み、上限を超えた分は除外または切り捨てられる。例:コンテキストウィンドウを超える長い契約書は、全体について質問する前に分割か要約が必要になる。記憶や学習データと混同しないこと。ウィンドウはリクエストごとの上限であり、モデルが見たすべてを保存するものではない。
Diffusion model
ランダムな信号からノイズを反復的に除去して画像などのメディアを生成する生成モデル。
Distillation
小さなモデルに大きなモデルを模倣させ、能力の多くを低コストで保つ訓練。
Embedding
テキストや画像などの項目を数値ベクトルで表したもの。意味の近い項目が高次元空間で近くに位置するため、意味検索やクラスタリングが可能になる。例:ヘルプセンターが記事ごとに1つのベクトルを保存し、利用者の質問を最も近い記事に対応づける。プロンプトや要約と混同しないこと。埋め込みは読めるテキストではなく、その数値を読んで解釈することもできない。
Few-shot learning
モデルを再学習させる代わりに、プロンプト内の少数の例で誘導すること。
Fine-tuning
事前学習済みのモデルをより狭いデータセットで追加学習し、特定のタスク・文体・領域により沿わせること。例:企業が自社で整備した質問と回答の組でベースモデルを追加学習し、返答を自社の文体に合わせる。検索拡張生成と混同しないこと。検索拡張生成は重みを変えず、回答時に文書を足すだけである。プロンプトエンジニアリングとも混同しないこと。そちらは指示文を書き換えるだけである。
Foundation model
幅広いデータで訓練され、多くの下流タスクに適応できる大規模モデル。
Free tier
無料枠とは、サービスが有料プランと並べて提供する無償の利用枠で、通常は利用量の割当、使える機能、席数、期間などで制限され、製品を試したり、軽い利用を無料で続けたりできるようにするもの。例:月に一定数のリクエストを許し、それを超えると有料プランが必要になるインターフェース。自由ソフトウェアやオープンソースと混同しないこと。これは商業的な提供であり、変更や終了があり得るうえ、背後にあるモデルのライセンスについては何も示さない。
Function calling
モデルがプレーンテキストの代わりに、開発者が定義した関数への構造化された呼び出しを返す機能。
Grounding
モデルの回答を、文書や検索結果などの検証可能な外部ソースに結び付けること。
Guardrails
AIシステムの出力を安全・正確・主題に沿ったものに保つための規則やフィルター。
Hallucination
モデルが虚偽または根拠のない内容を述べたり、引用・数値・関数名などの細部を捏造したりする出力。正しいときと同じくらい流暢かつ自信ありげに書かれる。例:文書のある節を引用しているが、その節に引用された主張は書かれていない要約。嘘やバイアスと混同しないこと。幻覚はモデルのテキスト生成の仕方から生じるもので、欺く意図や特定の立場から生じるものではない。
Inference
学習済みのモデルに新しい入力を与えて、予測・翻訳・生成画像などの出力を得ること。サービスがリクエストごとに計算資源を消費する段階であり、それ以前に行われる訓練とは別物。例:アプリがアップロードされた写真をモデルに送り、1秒以内に説明文を受け取る。訓練やファインチューニングと混同しないこと。それらはデータセット上でモデルのパラメータを調整するもので、1回あたりのコストは通常はるかに大きい。
Large language model (LLM)
大量のテキストで訓練し、言語を予測・生成するためのニューラルネットワーク。
License
ライセンスとは、権利者が、モデルやその重み、ソフトウェアをどのように使用・複製・改変・再配布してよいかを許諾する法的な許可であり、技術そのものではなく、その権利に付く条件を定めるもの。例:研究用途に限って公開されるモデルもあれば、商用製品を認める代わりに改変版にも同じ条件を課すモデルもある。オープンウェイトやオープンソースと混同しないこと。商用利用を禁じる条件で重みが配布されることもあり、寛容なコードライセンスは学習データについて何も語らない。
Mixture of experts (MoE)
各入力を一部の専門サブネットワークに振り分けて計算を節約するモデル構造。
Model Context Protocol (MCP)
アシスタントやその他のモデル駆動アプリが外部のデータソースやツールに接続する方法を標準化するオープンなプロトコル。アプリとサービスの組み合わせごとに書き直すのではなく、1つのコネクタを複数のクライアントで再利用できる。例:社内のチケットシステムを公開するサーバーを、デスクトップアシスタントとコーディングツールにそのまま接続できる。モデルや特定ベンダーのAPIと混同しないこと。ツールをどう提供しどう呼び出すかを定めるもので、相手側モデルの品質を語るものではない。
Multimodal
テキストと画像など、複数種類のデータを処理・生成できるモデルを指す語。
Open weights
他者がダウンロードして実行し、多くの場合は改変もできるよう公開されたモデルのパラメータ。ベンダーのホスティングサービス経由でしか使えないモデルとは対照的。例:チームが公開された重みをダウンロードし、自社のマシンで実行して、データを自社ネットワーク内に留める。オープンソースと混同しないこと。重みだけではライセンスや学習データ、学習コードについて何も分からないため、重みが公開されているモデルが自動的にオープンソースになるわけではない。
Prompt
モデルに指示を与えたり応答を引き出したりするために入力するテキストなどの入力。
Prompt engineering
より信頼できる、あるいは有用なモデル出力を得るためにプロンプトを設計・改良する実践。
Quantization
モデルの重みの数値精度を下げ、より高速かつ省メモリで動かす手法。
Reasoning model
回答の前に追加の計算を使って問題を段階的に考えるよう訓練されたモデル。
Red-teaming
リリース前後にAIシステムの有害・危険・意図しない挙動を意図的に探る取り組み。
Reinforcement learning from human feedback (RLHF)
人間の好みの判断を使ってモデルをより有用な振る舞いへ導く訓練手法。
Retrieval-augmented generation (RAG)
質問に関連する文書を外部コーパスから検索し、その抜粋をモデルに渡すことで、モデルが記憶した知識だけでなく取得した情報源に基づいて回答させる手法。例:サポートアシスタントが製品マニュアルから該当する段落を探し、回答の中で引用する。ファインチューニングと混同しないこと。ファインチューニングはモデルの重みを変更するが、検索拡張生成は重みを変えず、回答時にモデルが見るテキストだけを変える。
Self-hosting
セルフホスティングとは、ベンダーのホスティングサービス経由で使うのではなく、自社サーバー、プライベートクラウド、ノートPCなど自分で管理する基盤の上でモデルやアプリを動かすこと。例:企業が社内ネットワークの中にオープンウェイトのモデルを導入し、プロンプトや文書が外部に出ないようにする。オープンウェイトと混同しないこと。自分でモデルを動かせるかどうかはライセンス次第であり、重みがダウンロード可能なモデルでも主にホスティングサービスとして提供されることがある。
Small language model (SLM)
デバイス上や低コスト環境で効率的に動作し、十分な品質を保つよう設計された小型言語モデル。
Speech recognition (ASR)
話された音声を自動的に文字テキストへ変換すること。
Synthetic data
実データが少ない、または機密性が高い場合に、モデルの訓練や評価に使う人工生成データ。
System prompt
ユーザー入力の前に、モデルの役割・ルール・振る舞いを定める非表示の指示。
Temperature
モデル出力のランダムさ・予測しやすさを制御するサンプリング設定。
Text-to-image
生成モデルを使い、文章による記述から画像を生成すること。
Text-to-video
生成モデルを用いて、自然言語の記述から動画クリップを生成すること。
Token
言語モデルが読み書きするテキストの単位で、単語や単語の断片など。
Tool use (function calling)
タスクを完了するためにモデルが外部の関数・API・アプリを呼び出す能力。
Transformer
注意機構に基づくニューラルネットワーク構造で、現代の多くの言語・マルチモーダルモデルの基盤。
Vector database
埋め込みを保存し類似度で項目を検索するデータベースで、AIアプリの検索によく使われる。
Vibe coding
開発者が自然言語で目標を記述し、AIにコードを生成させるソフトウェア開発スタイル。
Voice cloning
音声クローニングは、ある人の話し声の録音から合成音声を構築し、新しいテキストをその人に似た声で読み上げられるようにするもの。手法によって、短いサンプルから数時間の音声まで使う。例:ナレーターが一度数分録音しておけば、修正した一文を同じ声で読ませるために再度収録を予約する必要がない。音声認識と混同しないこと。認識は音声をテキストに変え、クローニングはテキストを特定の話者をまねた音声に変える。
World model
環境の内部表現を学習し、その時間的変化を予測するAIシステム。
Zero-shot learning
プロンプト内で例を一切見ずにタスクを実行するモデルの能力。